外出する時も仕事中でも、秋元 康さんの腕には、いつも時計がある。
「左腕に時計の重さがないと、どうも落ち着かないんですよ」
そんな秋元さんと時計との出会いは、中学入学の時。
「僕と同世代の人の多くがそうであったように、入学祝に父から贈られたのが時計でした。時計をつけると大人に近づけたようで、嬉しかったですね」
そう、かつて中学や高校の入学時に時計を贈り、贈られることは、大人になるための通過儀礼のようなものであった。
「今は中学生でもスマホを持っている時代だから、入学の時に時計を贈るということは、少なくなっているんでしょうね。確かにスマホで時間は、分かる。でもスマホが示す時間には、味わいがない。しかし、つける人のことを思って時間をかけて選び、贈った時計は、豊かな時を刻んでくれると思うんです」
秋元さんも折に触れ、友人や大切な人に腕時計を贈ってきたという。そして心に響く時計と出会えば、自分自身に贈ってきた。
「時計を贈ることは、好きですね。贈った相手の手元にいつもあるし、時間を贈るという意味合いもあるから。自分のために買った時計も、時間を見る度に、“これはニューヨークのアンティークショップで買ったなぁ”とか、手に入れた時の思い出が蘇る。モノの価値を決めるのは、時間です。だから6パックの腹筋や英会話など一朝一夕では手に入らないものに、多くの人が憧れるんです。20年後、30年後にも心に残る時計は、本当の価値がある。スマホ万能時代に、時計は無駄なモノという人がいるかもしれない。でも無駄をなくしてしまったら味気ない。そんな時計を買わないなんて、もったいないですよね」

時計を着替えることで 人生を変えるきっかけに

そうした豊かな価値を秘める時計を買うひとつのきっかけになればと、秋元さんプロデュースによる日本正規高級時計協会「特別限定モデル」製作プロジェクトは、スタートした。そのベースとなったのは、グランドセイコーの自動巻きスプリングドライブ搭載機だ。
「僕はよく“記憶に残る幕の内弁当はない”と言っているんですが、個性や特徴がないモノに、強い関心や愛着が寄せられることはありません。ですから「AJHH特別限定モデル」と呼ぶにふさわしい、今までのグランドセイコーにはなかったオリジナリティを持つ時計にしたいですね」
セイコーの開発者が同じテーブルにつき、打ち合わせを重ねる。そして秋元さんが希望するダイヤルやインデックスなどの色や仕上げをCG化し、実際にサンプルも作り、出来栄えをチェックしてもらい、できあがったのが、上※のモデルだ。ダイヤルのカラーは、今までも、そして今後もグランドセイコーでは使われないシャイニーブロンズが華やか。そしてひとつだけ朱色に染められたインデックスの9は、朝ビジネスマンがスイッチを入れる時間であり、夜には記憶に残る出来事が始まる時間であることを印象的に表している。 「メロディラインは王道で、アレンジが新しいというのが、ヒットする曲の基本。このモデルもグランドセイコーの頑固なまでのトラディショナルを守りながら、僕なりの新しいアレンジを加えています。一見なんでもないような時計なのに、つけこなすとカッコイイ。どんな人がつけるかによってそれぞれのストーリーが生まれるといいですね。そしてこの時計をつけることで何かが変われるきっかけになってくれれば、嬉しいですね」 前述の中学・高校の入学や就職、そして結婚や子どもの誕生といった人生の節目は、時計を買うきっかけではある。同時に時計を“着替える”ことは、人生を変えるきっかけになることを、秋元さんは提案する。
「僕ももちろんつけます。そしていつか街でこの時計を買った人と偶然出会い“同じ時計持ってます”って言われたい」
①秋元さんの要望でブラウンのカーフストラップがセットに。付け換えると、クラシックな雰囲気にドレスアップする。
②裏蓋はシースルー仕様に。ムーブメントを覗かせるサファイアクリスタルの内面には、グランドセイコーを象徴する獅子の紋章と「Limited Edition by AJHH」の文字を、ゴールドカラーでプリントして特別感を演出。
③専用ケースのほか、秋元さんのメッセージカードも同梱している。

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